会社員であれば手がけてた仕事の対価として給料が支払われますが、フリーランスのエンジニアはクライアントと交渉を重ねて報酬額を決めます。具体的な金額を算出するには、基準となる時間単価を設定し、作業に要する時間を乗算して出た金額を報酬額とするのが方法の一つです。つまり、時間がかかる難易度の高い仕事や量の多い仕事ほど、報酬は高くなる仕組みと言えるでしょう。
正当な報酬を得るための交渉では、提示した報酬額に合う能力を持っていることをアピールしなければなりません。過去に取引したことのあるクライアントなら、これまでの仕事ぶりから適正に評価してもらえるでしょう。しかし、初めて取引するクライアントには、交渉の場で自らのスキルや実績をアピールして能力を認めてもらう必要があります。次に、自分の仕事で生まれる付加価値をアピールすることも重要です。例えば、作業効率を高めるシステムを導入すれば、売上アップや人件費削減などの付加価値が期待できます。その付加価値をクライアントに認めてもらえば、交渉を有利に進められるでしょう。
一方、交渉の場でエンジニアが提示した報酬額をクライアントが値下げ要求してくることもあります。経営状態が悪い、景気が良くないなどの理由で低予算しか出せない状況なら、交渉を重ねてもクライアントは諦めません。そこで1度だけのつもりで安価な仕事を引き受けてしまうと、同じことが繰り返されます。自分の価値を下げないためにも値下げ交渉は断り、フリーランスのエンジニアを適正に評価した報酬額を出してくれるほかの仕事を探した方が良いでしょう。